地獄突きビグザム

真田十勇士の地獄突きビグザムのレビュー・感想・評価

真田十勇士(2016年製作の映画)
2.8
真田十勇志をモチーフにした作品です。良かったところは合戦シーンです。とにかくサービスのつもりでいれる即興的演出等が少なく、グダグダ余りせず比較的にスッキリ見れました。
この作品はいつもの監督のテーマです。嘘と真実は紙一重で変わってしまう。これは堤監督の長いテーマだと思います。
しかし今作はそのテーマが薄い。何故ならば、生死に直結するシーンが多いので、嘘を入れれなかった。事が最大の要因なのでは?と感じました。
そのぶん会話シーンでは過剰な演出が少なくなり、笑えるシーンが増えました。しかし盛り込みたい事を絞った事で、分かった事がありました。
監督の作品は良く嘘をつきます。これは監督の長年のテーマです。何かの状況や偶然性で真実や嘘が入れ替わるという事です。
しかしこの作品の最大の問題は彼らがつく嘘は見栄・はったりという事です。決して嘘ではなく、限りなく他者に向けたもので、他者より上になりたい。落ちぶれたくないというだけで、それより意味がない。
そう自己に嘘が無いのだ。無意識の嘘。だから真実も軽くなる。今回、合戦アクションシーンが増え、嘘や誤魔化しがつけなくなり、今まで引っ掛かっていた面が如実に出ている作品だと思う。