Kota

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のKotaのレビュー・感想・評価

3.8
“軍人に対して、決して戦争の代償を知らないと言ってはいけない。”

アフリカ、ナイロビにて集結するテロ組織を追跡すべく空の偵察機で監視をする英軍。しかしその会合が自爆テロの実行だと分かると、米軍と共にミサイルを打ち込むかどうかの決断を迫られる。

最初から最後までずっと緊張感が張り詰めていて観ている側もどっと疲れる。想定でしかない数字的根拠と大勢の命、そして政治的、法的影響も考えなければならない状況下での時間のない決断。誰に感情移入すればよいのか、何が正義なのか最早分からなくなる。でもこれが現実なのだと考えると、今作は本当によく出来ていると思う。

パン売りの少女の致死確率は45%。決断をする人間と、実行する人間。こんなに重たい決断だったら責任を追いたくなくて、案件をたらい回しにする上層部の感じは、腹立たしくもリアル。総じてみんな演技が素晴らしいけれど、やっぱりアラン・リックマンには痺れるなぁ。
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