Ryoko

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のRyokoのレビュー・感想・評価

4.0
示唆に富んでいる映画だと思う。
目の前で、といっても画面上ではあるけれど、生きている一人の人間を犠牲にするのか、見えないけれど多数の人間を犠牲にするのか。そしてこの重い決断の責任は負いたくないから、自分ではなくて上の者の決断に任せる、という無責任さ。
ボタン1つで簡単に人を殺してしまえる。
もちろん押した側には心的障害は残るだろうが、実際に一人の人間の人生とその家族のこれからが一気に変わってしまうという現実は彼らからすれば画面上のことでしかない。
画面の中の世界で実際に今までの全てが変わってしまった人がいたとしても、画面の外の世界では今まで通りの生活が続く。(きっと大臣はあの後も卓球を楽しんだのだろうし)
酷だなとは思うけれど、これがまるっきり架空の話ではないということもショッキング。
考えるべき点が散りばめられている作品だと思う。

一番最後のAlan Rickmanのセリフもかなり印象強かった。
Ryoko

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