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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

イギリス軍とアメリカ軍の合同チームは、ケニアに潜むテロリストの隠れ家を発見する。ドローン偵察機の映像で、テロリストたちが自爆テロを計画していることを知る。無人機によるミサイル攻撃を決断したチームだったが、攻撃殺傷圏内にパン売りの幼い少女が入り込んでしまい…という話。

ドローンなどの無人兵器を駆使した現代の戦争の実態を描いている。
自爆テロが発生した場合の被害者想定数80人とミサイル攻撃による民間人の犠牲者数1名を天秤にかけた判断を巡り、イギリスアメリカ両国の政府要人たちと現場の軍人たちが意見をぶつけ合うのだが、人道的な面から攻撃に反対するものから、責任を取りたくないがために上役に丸投げするものまで様々な立場の人間が判断をたらい回しにして一向に方針が決まらない。その間にもテロリストはテロの準備を整え、逃亡される危険性は高まっていく。
また、民間人が死ぬかもしれないのにミサイルを撃てと命じられる無人機の操縦者や、ケニアで索敵任務をこなす現地人の苦悩もリアルに描いていた。

緊迫感が半端なく、非常に考えされられる作品。犠牲者数だけを比較するならテロリストを即攻撃するべきかとも思えるが、民間人が現場にいることを知った上で攻撃を実行するのは躊躇われる。しかも現地の幼い少女が非常に無邪気で可愛らしいこともあり、ますます迷いが生じてしまう。
この辺りの各人の葛藤を見事に表現していた。
観終わったあとはいろいろヘコむなあ…
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