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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のleiのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ナイロビの隠れ家にいるテロリストたちを捕獲すべく現地ケニアの軍人とその協力者たちが内偵とサポートをし、アメリカ軍の人々がドローンや軍用無人機器を使ってより大きな範囲での偵察を行い、それらの情報を基にしてイギリス軍の大佐とその上官、そして政治家たちが指示を下す――
そんなところから始まった物語も、自爆テロ用のベストと爆薬が隠れ家に準備されているのを発見することによって、攻撃作戦に一変します。
攻撃の準備が整っていざ、実行!となったとたんに隠れ家の近くでパンを売り出す少女。このまま作戦を実行してしまえばテロが防げるが、少女の生命には影響がある。果たして攻撃作戦を実行してしまってよいのか…?

とても考えさせられる映画でした。
テロで失われるであろう多くの生命と、たまたまテロリストの隠れ家の付近にいた少女の生命どちらを救うことが法的に、そして人道的に正しいのか。
最大多数の最大幸福を追求すべきか、道徳規範に乗っとるべきか。
もし問題になっている1人が少女ではなく男の子だったら、若い女性或いは男性、はたまた老人だったら、有力者だったら、貧しい人、差別されている人だったら……。
いくら考えても私にはどちらの決断が正しかったのかはわかりませんでした。どちらの決断も理解できるからです。
はじめは大好きな俳優であるコリン・ファースの製作作品だから、という単純な理由で観たのですが、すっかり考えさせられてしまいました。
人生の中で時間をかけてじっくり考えてみたいと思わせてくれる作品でした。
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