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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場のMiYAのレビュー・感想・評価

4.0
以前見たドキュメンタリーで、アメリカの若い兵士がビデオゲームの感覚できゃっきゃと無人機を操作して攻撃しているのを見たことがあり、まぁそんなのが描かれる映画なのかなと思いましたが、いささか様相が違いました。

標的の近くに少女がいることがわかり、無人機の操縦士は異議を上官に申し立てる。発射の命令が下ったときは涙を流す。ちょっと美化されすぎかもしれませんが、凄まじい緊張感がありました(現地の工作員のファインプレーでうまく事が収まって良かった)。

戦場であれば現場での判断は現場の指揮官に任されるのは当然。ところが遠隔操作で攻撃する場合、判断の責任は軍人ではなく、政治家と官僚が行うことになる。でも誰も決断ができず、軍人が決断を迫るなか、時間がいたずらに過ぎていく。ここで描かれたのは政治家や官僚の無能ぶりのようにも思われますが、彼らの慎重な態度が結果としては吉と出たわけです。軍人の暴走を抑えるという意味では、現代の戦争の方がよりシビリアン・コントロールが効くのかもしれません。

いやはや、色々なことを考えさせる映画でした。
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