戦争では、文民問わずお偉方は、遠く離れた安全な場所でぬくぬくとああだこうだと無責任なことを言い合う。一方で、命の危険に晒され、どんな命令にも従わざるを得ず、たとえ命を落としても結局は忘れ去られてしまうのは、いつも現場で駒となって戦う人々。コンピュータ・ゲームのようなドローンが当たり前になり、さらにはAI兵器が現実となった今、この傾向にますます拍車がかかることは間違いない。軍人が自分の意思に反してでも上官に従わざるを得ないのなら、軍人には絶対なりたくない。ドローンのターゲット付近に潜入し、虫を操作し、少女を救うために最善を尽くすケニア人協力者が一番印象に残った。
