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  • アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場の感想・評価

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015年製作の映画)

Eye in the Sky

上映日:2016年12月23日

製作国:
  • イギリス
  • / 上映時間:102分
    監督
    ギャヴィン・フッド
    脚本
    ガイ・ヒバート
    キャスト
    ヘレン・ミレン
    アーロン・ポール
    アラン・リックマン
    バーカッド・アブディ
    ジェレミー・ノーサム
    イアン・グレン
    あらすじ
    ギリス、ロンドン。軍の諜報機関の将校キャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、国防相のフランク・ベンソン中将(アーロン・ポール)と協力して、アメリカ軍の最新鋭のドローン偵察機を使い、英米合同テロリスト捕獲作戦を指揮している。 上空6000メートルを飛んでいる空の目であるリーパー無人航空機が、ケニア・ナイロビの隠れ家に潜んでいるアル・シャバブの凶悪なテロリストたちをつきとめる。その映像が、イギリス、アメリカ、ケニアの司令官たちがいる会議室のスクリーンに映しだされるが、彼らが大規模な自爆テロを決行しようとしていることが発覚し、任務は殺害作戦へとエスカレートする。 アメリカ、ネバダ州。米軍基地では、新人のドローン・パイロットのスティーブ・ワッツ(アーロン・ポール)が、パウエル大佐からの指令を受け、強力なヘルファイアミサイルの発射準備に入る。だが、破壊準備に入ったその時、殺傷圏内にパン売りの幼い少女がいることがわかる。 予期せぬ民間人の巻き添え被害の可能性が生じたため、軍人や政治家たちの間で議論が勃発し、少女の命の行方がたらい回しにされる。キャサリンは、少女を犠牲にしてでもテロリスト殺害を優先しようとするが――。

    「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」に投稿された感想・評価

    示唆に富んでいる映画だと思う。
    目の前で、といっても画面上ではあるけれど、生きている一人の人間を犠牲にするのか、見えないけれど多数の人間を犠牲にするのか。そしてこの重い決断の責任は負いたくないから、自分ではなくて上の者の決断に任せる、という無責任さ。
    ボタン1つで簡単に人を殺してしまえる。
    もちろん押した側には心的障害は残るだろうが、実際に一人の人間の人生とその家族のこれからが一気に変わってしまうという現実は彼らからすれば画面上のことでしかない。
    画面の中の世界で実際に今までの全てが変わってしまった人がいたとしても、画面の外の世界では今まで通りの生活が続く。(きっと大臣はあの後も卓球を楽しんだのだろうし)
    酷だなとは思うけれど、これがまるっきり架空の話ではないということもショッキング。
    考えるべき点が散りばめられている作品だと思う。

    一番最後のAlan Rickmanのセリフもかなり印象強かった。

    このレビューはネタバレを含みます

    鑑賞日16.12.23
    テロリストへドローン攻撃する映画だが、その作戦の2時間がまんま映画上映時間の2時間になるという。だらだら2時間見せられて、観ている途中で「展開的にもうそろそろ終わるだろ・・・」と悟られるヌルさもなく、時間と状況が迫ってくる緊迫感満載の作品。

    この映画では「事実に基づく~」などといった表記は一切出ないものの、テロ対策の未来的なSF映画のような作戦を描く物語ではない。事実、ドローンを使った攻撃が実際に行われていて、その現場を再現しているかのようなドキュメンタリーに近い内容になっている。ちょっと昔の資料でもドローン攻撃は、標的以外にもコラテラル・ダメージを伴うものだという実態が分かる。それに比べて、この映画の作戦が仮に最新の作戦とするにしても、被害や殺害精度は推測でしかない。

    この建物のこの部屋にいて、この角度でミサイルを撃つと被害はこの範囲。致死率は何%で、巻き添えを食らう住人の被害は何%と試算して、最小限の被害と殺害精度の両立に務めるが、まさにギャンブルやゲーム感覚だ。

    映画では攻撃に至るまで、テロリストの正確な情報を掴むため鳥や虫の小型無人カメラを駆使してようやく推測できる準備が整う。必ずしも本人と特定できず、民間人の車をテロリストの車と誤認して攻撃するというケースも実際起きている。

    故アラン・リックマンが演じた将軍が、コブラと呼ばれるイギリス内閣司令室で指揮を取り、ヘレン・ミレン扮する大佐が攻撃の準備をやっと整えたとしても、結局は攻撃を人が承認しなければ実行できない。

    今回の作戦で攻撃の標的になるケニアはイギリスからすれば友好国であり、そこをアメリカのミサイルがイギリスの判断で攻撃するかどうか。しかもメンバーにはアメリカ人やイギリス人も含まれているため、政治的な意味でいろいろどうなのか。

    と複雑化した状況のなか、テロリストの準備が着々と進んでいる。

    時には、ドローン攻撃による実態公表を恐れたり、法的に許されるのか苦悩したり、テロで犠牲になる民間人とドローン攻撃で犠牲になる民間人とどちらを選ぶのか混乱したり。

    こうした判断や、決定がかなりの頻度で実際に起きているということだ。邦題にある「世界一安全な戦場」というのは実際この映画を冷静に観ても安全であることは間違いないし、現地に居ない以上、危険ではないのは確かだ。

    完全に判断するのは軍人ではないし、戦争のようにどこからか攻撃を受けるわけではない。“空の目”というのは人工衛星の目を現すが、それによって安全性に相手の状況を掌握することが出来る。つまり戦場をコントロールし、人の善悪と生死を決定している。

    また、状況を把握できるおかげで、「見過ごしてはならない」という責任が生まれる。人工衛星で監視しておきながら、テロリスト発見を見過ごし、阻止できなかったという愚かなことは許されない。

    では、それを食い止めようと民間人を巻き込んでもミサイルを撃ちますか?撃ちませんか?

    そうすると、正当化を求めるために様々な観点から考え、意見を聞き、許可を貰うため時間を費やす。その間にも新たに想定される被害者として、攻撃エリアへ立ち入ったり、テロリストを監視している小型カメラに異常が出て確認できなくなったり。

    判断やミサイル発射のタイミングにベストは無い。実際にそれを操作する軍人も辛いのは同じだ。安易に上官の命令に従うのではなく、自分の倫理観と照らし合わせながら正当に異議を唱えて、よりベストに近づけるよう努力する。

    安全性を手に入れても、こうした人の障害が判断を狂わせたり、見誤ったりして被害が変動する。そして、プロデューサーを務めたコリン・ファースが「ラストを変更するならクレジッドから外せ」と言うほどのこだわりと、現地公開時に議論が発生したラストを刮目して欲しい。

    任務達成や確認はもちろん済ませるものの、被害など他の面で努力してきても、それはあくまで推測でしかないので、任務終了後は目を逸らさざるを得ない。

    ましてや現地確認ではなく映像上での確認なので、映像流失などが発生した際に過剰な被害が見つかり「見過ごし」を指摘されるからだろう。細部の真実を誰も知らないということになる。

    ここからは私の推測による恐怖だが、こうした突発的な攻撃が標的地の分からないところで、凄く遠く離れた他国で発せられているという実態。アメリカやイギリスだからできることなのだろうが、こうした力がそのうちテロリスト側へ流れ、ドローンによる自爆テロや攻撃が増える可能性もあると考える。

    また、今回攻撃申請を承認するために様々な人を巻き込み、最終的には攻撃することになった。ここだけの図式で見ると、単純に人間による確認作業と判断の遅れが生じているため、こうした意思決定をAIに委ね、人間の判断抵抗を無くすという動きも考えられる。それって、最近の『ロボコップ』の世界か。
    ヘレンさんが大佐というのに終始違和感があった。
    それで緊張感がないわけではなかったが。

    大統領がヘタレな設定もなんとなく悲しい。
    それに巻き込まれる少女の運てなんじゃろか。

    ストーリーはすごく分かりやすいし、自分も考えながら観たけど、結局人任せの気分で観賞してしまった。

    なんとなく浅く感じるのはなんだろう。
    2017.01.14 in有楽町
    アラン・リックマンを偲んで…

    良い意味でもどかしさを感じ、終わった後はやり場の無い気持ちで溢れる作品
    この緊迫の2時間劇みたいなことが実際に行われてるって考えるとぞっとする。

    このレビューはネタバレを含みます

    共謀罪の含み持っている怖さを実感。どっちが大事?とかの問題ではなく、起こっていないことを防ぐために人を危険晒すのは問題外。
    もうこの世にアランリックマンがいないなんて

    2017-44
    ヘレン ミレンの水筒、いいね👍
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