イチロヲ

SEX発電のイチロヲのレビュー・感想・評価

SEX発電(1975年製作の映画)
4.0
世界規模で問題になっているエネルギー枯渇問題に対処すべく、イタリアの医学博士が性交渉を動力源に変換させる技術を開発しようとする。「来たるべき世界」を題材に取っている、風刺コメディ。カンパニーレ監督はヴィスコンティの片腕として活躍した人物。

男ならば誰しもが一度は考える「シコシコ運動を有効利用できないものか?」という発想を扱っている作品。だが、人間同士の性交渉により生じる絶頂感が必要不可欠であり、自慰行為は微々たるものという設定になっている。

邦題からは低予算Z級映画の印象を受けるが、その実態は極めてスタンダードな劇映画。電力の喪失にともない、馬車やオイルランプを再導入することになった近未来が舞台となっており、その日常風景がケレンミたっぷりに描写される。

救世主であるはずの主人公が異端分子になり、動力源となるカップルが肉体労働者になる。この不条理性を含ませていく語り口がエクセレント。
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