花

君の名は。の花のレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.0
不鮮明になる世界の輪郭を眺めていることしかできない歯痒さがある。

2016年に公開された当時は途中まで高校生の青春ものっぽい雰囲気から、中盤のまさかの展開に度肝を抜かれた。
えええええええ!!!!
そんなの聞いてないよ〜!!!
という展開でキャラクターへを応援したい気持ちが昂り、2人が2人の存在を忘れていってしまう中で、それをみ続けている観客だけはキャラクターの因果関係を知っていると言う物語への参加を余儀なくされる展開が堪らなかった。
だって、2人だけじゃなくて、みんなの記憶から無くなっちゃうんだもん。
エモいよなぁ。
観客だけが2人がどうしてお互いを探している感覚なのかを知っているって仕掛けがうますぎるよなぁ。
最後に出会って欲しいと願ってしまうもの。

「片割れ時だ」

から怒涛の後半戦。
涙腺のダムが決壊してしまう。

ようやく会えたと思ったら、時間が短距離走並みに短いんだよ。
いや、大事な話したいけど、よくこの状況を飲み込めたな。
そもそも自分が死んだかも?って考えて納得するまでの時間が短すぎて、三葉の精神状態が鬼のように強靭なメンタルだと感じるんだが?!
ようやく会えたメル友みたいな感覚?
いや、体を入れ替わってたって相当深い関係なんだけど。
相手の人となりを知っているけど、リアルじゃ初めましてな感覚は今の若者にとって共感しかないと思うよ。
吊り橋効果でもなんでも良いけど、嫌いな相手の体に入るとかでなくて、むしろ好意的な相手の体に入れるって夢のようなチャンスなんだが?!

だけど、好意的な相手に対してだからこそ、粗相は許されないし、ましてや相手の人生を一時でも預かって生きるってよくよく考えれば一心同体的運命感。
そりゃあ、命懸けで助けたくなるよね。

公開当時も3回くらい観て、3回とも号泣だったけど、リバイバル上映でも号泣してしまったよ。

日本のアニメ史に残る一作だと思うので、行ける方は是非映画館で物語の傍観者になって欲しい。

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