あしたか

君の名は。のあしたかのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.4
今更ながらレビュー。


[見所]
●絵の美しさ
⇒背景の美しさだけでもう感動してしまう。アニメは背景が綺麗なほど内容にのめり込めるというのは間違いないと思う。全編に渡り実写と見まごうような映像美が続くのだから凄い
特に新海誠監督は"光"へのこだわりが尋常じゃないようで、空中に浮かぶ埃一つから、見せ場である"かたわれ時"の夕陽の美しさまで、鬼のようなこだわりが見える。そのきめ細かさには驚嘆してしまうし、絵の美しさが物語の美しさを象徴していると思う。
東京の在来線が走る様子もいかにもフィクション的な美しさに溢れていて好きだった。

●物語の面白さ
⇒SFとしても恋愛ものとしても優秀。
前半はスピーディーな入れ替わりストーリーをコメディとして楽しませながらも、ショッキングなオチで観客を驚かせる。前半でダブル主人公に感情移入する準備はバッチリ出来ているので、後半もノンストップかつサスペンスフルな楽しさがある。愛する人たちを救うために奔走する彼らの姿を手に汗握って応援してしまう。
全編全く飽きる隙がない。これぞアニメ映画。
オープニングで一気にばら撒かれた伏線が後半で次々と回収されていくのも気持ち良いし、泣かされる。2周目以降はオープニングを見るだけで泣きそうになる。というか自分はこの映画で一体何回泣いたのだろう…。
ところで、2人がいつの間に互いを想い合うようになったのかがわからないという意見があったが、互いの身体を触り合った健全な10代の男女が相手のことを少しも意識しない方が私は嫌だ。
「忘れちゃいけないことがある」というテーマも様々な人に寄り添うような優しさに溢れていて良い。

●細かい描写
⇒精緻な筆致で青春を瑞々しく描いている。面白いと思ったのが、三葉がいつの間にかブラを着けて寝るようになったり、瀧in三葉がカフェを作る際にスカートの下にジャージを穿いたりするところ。細かい2人の関係性の変化が見て取れる。
その他、司や奥寺先輩などのサブキャラも意味深だ。
メインストーリーにはツッコミ所もあろうが、自分は「まぁ夢の中の出来事だし」で片付けることにしている。
ちなみに、スピンオフ小説の『君の名は。 Another Side:Earthbound』を本編を見た後に読んで、その後もう一度本編を見ると冗談抜きで感動が3割増しになるのでファンは必読だ。映画の中ではあまり描かれない三葉とその父親のエピソードには泣かされる。

●音楽
⇒RADWIMPSの主題歌・挿入歌は勿論、彼らが担当した劇伴も全てが良い。
特に「三葉のテーマ」「かたわれ時」(=「夢灯籠」のアレンジになっている)の2つが素晴らしく、サントラで何度もリピートしては涙しそうになった。


泣き所多数の力強いストーリーを圧巻の作画と優れた音楽で彩った、瑞々しさに溢れる作品。何度も見てしまう面白さがある。