公開して間もない頃、友達に誘われて映画館で観ました。あまり乗り気ではなかったけど、結構面白くて満足しました。
一番良かったのはコンセプトの生かし方。「男女の入れ替わり」が基盤ではあるが、それ以上にこの作品は「忘れる」というのが重要なテーマだと思います。人間は楽しかったことや悲しいこと、どうでもいいことや大切なことも忘れてしまう生き物です。それを物語の主軸にしてて、物語の着地点もそこだったので、作りが上手いなーと感心した。何を伝えたいのかしっかり理解できた点に関しては、同時期にやってた「聲の形」より良かったかも。後は登場キャラが多いけど、無駄な人が全然いなくて、ちゃんとストーリーに関わってるのが良かった。
一方で好きになれなかった点が2つあります。まず、キャラクターの心情を明かすナレーションがしつこい。この監督の作風だろうが、映像が綺麗なのに勿体ない気がする。僕は、風景をボケーッと眺めてるだけでもその人が何を考えてるのか分かるような演出が好きなので(有名なものだとジブリとか)、好みの問題もあるだろうが好きにはなれなかった。後はRADWIMPSの音楽の使い方が、感動してよ！って押し付けがましい。10年以上は聴き続けてる好きなバンドだけど、とあるシーンで盛り上げ過ぎて興ざめだった。セリフも聞き取りにくかった。例えるなら、合唱コンクールで男声と女声が綺麗にハモってるのにピアノがやたらうるさいみたいな。「秒速〜」でも似たようなことを思ったから、この2つは新海誠作品の全てに言えるかもね…。
まあでも気になったのはそれぐらいで、世間の評判ほどはハマらなかったけど面白かったです。新海監督の制作順通り、「秒速〜」を観てから本作を観て感動したって人には凄く共感できる。
