Jun55

君の名は。のJun55のレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.3
アメリカでの公開を待っての観賞。
日本で大ヒットしたことが頷ける、自分にとっては期待を裏切らない映画だった。
各種の設定(男女入れ替わる等)、現実とファンタジー、ユーモア、音楽等々、よく練られている。
Rotten Tomatoesでも高評価(98%)だし、映画館も満員、そして最後は大きな拍手。
日本人的感覚の部分も多いと思ったが、意外と観客の反応が日本人の自分よりも良くて、その反応も楽しむことができたような気がする。
韓国等でも大ヒットしているが、観客はアジア系(中国、韓国系)が多かった。

観た時に一番に強く感じたことは東日本大震災との関係性。
自分自身、東北にボランティア等で通った。
人との繋がりや絆、東北の原風景への憧れ、もちろん、亡くなった方を思う深い気持ち、そして、それらが何よりも人生において大切なものであり続けたい、という思い。
東京にいる現実の自分と、物理的には離れている東北を心の中で身近に結び付けようとする強い思い。
その時に抱いていた気持ちが一気に甦ってきた。
このような部分も含めて、とてもメッセージ性の強い映画だと感じたが、タイトルの「君の名は。」も、とてもうまく使われていて、これにもメッセージ性もあったと思う。
自分自身では、忘れない、風化させない、というメッセージとして捉えた。「君の名は?」ではなく、「君の名は。」
あの時に大切だ、と思った気持ちを忘れずに問いかける。君はいつも身近な存在であるために。
Jun55

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