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君の名は。のpanpieのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.5
私はRADWIMPSが好きだ。
年甲斐もなくとても恥ずかしいと思う反面彼らの刺す様な歌詞とギター、相反する様な甘いバラードがあったりといつも新譜を聴く度意表を突かれる。
野田洋次郎の呆れ返るほどのロマンチスト全開の歌詞に正直ついて行けない初期の頃の曲もあるけど私は「アルトコロニーの定理」からのファンだ。
そんなに筋金入りの歴史あるファンではなく本気のファンからしたら申し訳ないけど自称なんちゃってファンだと思う。
それでも「君の名は。」が公開されRADWIMPSが主題歌を歌っていると知り正直げんなりしたものだ。
がっかりというか、そんなメジャーなお仕事しちゃうの?と。
テレビでは「前前前世」が流れまくり小学生がこぞって歌っている当時は今作を観る気もさらさらなく暫くRADから離れた。
元々中学生の時に娘が聴いていてその影響から私もハマったのだけどその後久しぶりに「人間開花」をレンタルしてiPhoneに落として聴いてみてその中の「スパークル」という曲に恐ろしくハマった。
そればかり何度も何度もリピートして。
そしてまた違うバンドを聴いたりしてまたRADを忘れていた。


先日からまたTSUTAYA通いを始めてしまってふと目にしたDVDになった今作をたまたま一緒にTSUTAYAに来ていた娘と観てみようという気になり一大センセーションを巻き起こした今作を遅ればせ観る事になった。


こんないいシーンで「スパークル」が流れていたなんて!(ToT)
これは泣くでしょう!
洋次郎の懐かしい頼りなげな声が歌っている。
映像もストーリーも私の想像を超えて来てここからずっと泣いていた。
時系列が複雑に交差していて三度観たけど新たな発見が必ずあってこれはDVD鑑賞して良かった。


瀧くんがまだ出会う前に三葉と電車で出会うシーン。
結んでいた髪から組紐をほどいて三葉が滝くんに投げそれを受け取る。
組紐は時間を超えた赤い糸だったのかな。


授業でやっていた〝かたわれ時〟には重要な意味があった。
1回目はここはちゃんと観ていなかった。


ちょこちょこ笑える所があってお気に入りは三葉が入った瀧くん。
司くんがいう様にちょっとかわいい。笑
瀧くんが入った三葉もなかなか男前で良い。
何度も入れ替わり互いの生活を送り互いを深く知っていく。
入れ替わりすら楽しみになっていたのに。
「夢を見ていた」
夢じゃなかったんだよ。
あれ?夢だったの?


「ずっと何かを、誰かを探していた」
既視感に囚われる事はたまにある。
もしかして過去に入れ替わった人の記憶なのかもしれない。
なんて思ったり。笑


演じる事なく声だけで表現するって難しいと思うのに声優さん達皆当たり前だけど上手でした。
長澤まさみの声も良かったです。
神木くんが滝くんの時と三葉が入った時の声を微妙に使い分けていて流石に上手でした。
おばあちゃんは市原悦子さんだったんだ!


いつもそうだった。
「もののけ姫」「千と千尋〜」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨も雪」などアニメはあまり好きではないと観るまで豪語してはいた私は娘に勧められて観る度に(その割には結構観ていますね。笑)日本のアニメの素晴らしさに心打たれ涙が止まらず改めなければいけないと思った。
ほんっとすみません。m(_ _)m


もう十分に語り尽くされた今作は私が詳しく語る必要なんて何もない。
まだご覧になっていない方は色々な先入観を捨てて心を無にして若かった頃に戻って来てください。


今作は時を隔てた壮大なSFで恋愛映画なんだけどそんな初々しい気持ちは遥か彼方へ飛んで行ってしまっていた乾ききった私の砂漠の心にも十分染み渡って来て涙が止まらなかった。
またまた何度も観たい映画に出会ってしまった。
明日まで1週間レンタルしたので最後にもう一度観て涙を流したい。
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