朝子

君の名は。の朝子のレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
3.0
誰しも何となく共有できるような、
泣きながら目覚める夢の覚えていたのに忘れてしまうもどかしさ。
ずっと何かを誰かを探している気持ち、それが何かも誰かもわからないけれど。
を具現化した感じ。

遅ればせながらの鑑賞と大成功の高評価で、どうしても意地悪い視点で観てしまうが、「瀧くん」が薄い。彼は「三葉」の対比であって必然ではない。彼女の背景から感情移入できるが、彼は背景も語られず、こちらの気持ちは動かない。誰でも彼になりうるのもいいけど、彼しかいない、理由が欲しい。父子家庭がヒントかもしれないが、ほんの少しでも説明がないとどうしようもない。続編?スピンオフ?というあざとさで冷めるが、商業主義とはそんなものだし。

最初から、謎解き光線と伏線回収光線を両眼から発しながらの鑑賞だったので理解できたが、PV効果のドライブ感でぼっーと観ていたら見逃しそう。ただ数回鑑賞する根拠になるよね。

と、底意地の悪さばかり。
男女の入れ替わりという発想は既視感で惹かれなかったし。ただ、素直に感心したのは、本当の意味で会えない理由を時間軸にした点。これがあるので、パラレルでなく同一時間軸の巻戻しで生還できる。まあ有名な作品にもありますが。
でも、やっぱり時間軸のズレを2人が気づかないのはスマホのせいで無理があるかな。学生のデートが平日はちょっと。私立で休校日?何でそこまでこっちが理由づけしなきゃいけないのだ。

何やかんや言いながらも話題作はいいもんだ。共有できるのは。
彼女の問いかけに不可抗力とはいえ、答えられなかった彼が、彼の方から問いかけて大団円というハッピーエンドも良かったのでは?雨上がりのハッピーエンドの選択は良かったと思う。
朝子

朝子