監督のフェチズムを一般向けになんとか変形させたような映画。
あまりにヒットしていたので非常に言いにくかったけれど自分にはビックリするくらい何も響かなかった。映画館で一緒に見てたツレは泣いていたので、どうしよう…正直な感想が言えない…と酷く困った。当方女。
この監督はキャラクターに個性をもたせるために何かしら普通とは違うような部分(巫女やら組紐やら靴職人やら)を入れるのだが、それが逆にキャラクターの個性の無さ、魅力の無さを引き立ててしまうと思うのは自分だけだろうか…
表面的な職業的設定で満足してしまいキャラの内面を掘ることは疎かにしているような…
しょっぱなから女子高生の巫女って時点で「若い処女」を暗に示唆してるなーこういうのが好きなんだろうなー胸揉みたいのね、ヨダレ欲しいのね、ハイハイってのがガンガン伝わってくる。これは男女が入れ替わる設定の話だけど、時間が止まって動かなくなった女の子の体を男が触るAVの設定と大差ない。しかもJKの巫女設定ね。
9歳の女の子が「口噛み酒を写真つけて売れ」と言った時点であぁ、監督にとってキャラクターはそれぞれに人格があるわけではなく自分の言いたいことを言わせるための駒なのだなと思った。
キャラが駒なので、映画見てる間ずっと駒を動かしている監督の顔が頭にチラつく。
純愛らしきもので覆い隠してるけど、童貞の見た夢の話みたいだなぁと思ってしまった。
彗星が落ちて壊滅したはずの村に住んでいた普通の女の子と男の子が時間軸のズレで出会ってしまい…って設定だけを掘り下げてくれた方が余程泣けた気がする。
勿論背景は綺麗。夕方の街並も彗星の絵も1枚絵で見た時には鳥肌がたつくらい感情のこもった素晴らしい色。
キャラと脚本がなぁ…