このレビューはネタバレを含みます
何者見てきました。
「何様だよ。おまえら。」ってのが観客としての感想です。
SNSを自分もやっているから、ドキッとする部分もあって、どこか自意識過剰で承認欲求の塊。こいつ何様だよ。ってイライラするけど、自分こそ何様なんだよ。って落ち込んだりする。就活がテーマの映画と思いきや人生や生き方についての問いに思えた。途中でやめてくれよ!!!この話はって!!って古傷を剥がされる気持ちになったが見ずにはいられなかった。
人を見下し、嫉妬し、失望したりだけど、生きるってこういうこと。
キャストを見た時、何となく温度が違うと言うか、みんな仲悪そうなの集めたな。最高やん。って思いました。
やっぱみんな表面上は協力し合いましょう。みたいな感じなんだけど、めちゃくちゃ気持ち悪いんですよね。だって、就活という目的意識で集まったけど、よそよそしくて表面的でうわあ!帰りてえ!ってなりましたね。
主人公のタクトは冷静沈着分析系男子。だけど、プライドが高いゆえに何かと不器用なんですよね。思い人のミヅキに何かと踏み出せなかったり、SNSで周りを分析者面で馬鹿にしたり、一緒に演劇をやっていたギンジを「寒い」と言ったり、バカにしてる。だけど、本当は演劇が好きで熱いギンジの事が好きなんですよ。本当は羨ましいと思っている。
意識高い系女子のリカもタクトと同様にプライドが高い。見栄っ張りで余裕のあるふりをするけど、誰かに求められたくて仕方ない。タクトとリカは表面上は褒め合いながらも互いを見下しあってるけど、よく似ている。互いのどす黒い気持ちが露呈し、リカが泣いてるシーンに思いました。
だけど、愛嬌のあってまっすぐなミヅキやコウタロウのか大人に重宝されるもんですよ。
ミヅキがリカの彼氏に完成品を待ってても見てくれなければ意味がない。10パーセントでも見てもらわなきゃ意味ない。←うろ覚えですみません。
って訴えるシーンはグサッときました。確かに誰かに見てもらう事は傷つくし、自分が見てもらいたい風に見てもらえないかもしれない。だけど、もしかしたら、好きになってくれる人も見てくれる人もいるかもしれない。地道にコツコツ頑張ってきたミヅキが一番現実とちゃんと戦ってるのが分かるし、もしかしたら、その言葉はタクトに言ってたのかも。って思った。
どのキャラクターも自分に通じるものがあったり、誰かに似てるよな。って思ったりね。みんな嫌なやつじゃないんだよね。誰だって安心したいし、必要とされたいし、プライドだってある。
だけど、就職しようがなんだろうが何者かになれない。内定とれたら、誰かに必要とされた気になるのか経験があるから分かるけど、人生の分岐点に過ぎなくてゴールじゃないのだ。とりあえず、SnSのトラブルは御免なので発言には気をつけないとね。