Masataka

何者のMasatakaのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
4.1
演劇を利用したシーンをはじめ演出が冴え渡っていたのと、「愛の渦」でもそうだったけど、三浦大輔(ベイスターズじゃないよ)監督は、いかにもありそうな、少しだけ気まずい空気感を作るのがとても上手な人だと思う。演劇に関しては、そもそも自身がもともと学生演劇出身の人らしい。

キャラクターとしてはそれぞれステレオタイプに分類された登場人物達だけど、物事を客観視することが得意な主人公、演劇というメタ的な表現、SNS、さらにこの映画を観る人(そしてこれを今ここに書いている自分!)までも含めて何層にも客観視できるレイヤーがあってそこがとても面白かった。

原作者の朝井リョウは「桐島」や本作をはじめ、若者の群像劇を書かせるととても面白い。同世代だから尚更そう思うのかも。彼は作家として成功していたにも関わらず普通に就活して就職したらしいので、就活あるあるもなかなか良かった。今度は婚カツをテーマに書いてくれないかな〜。
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