春

レッドタートル ある島の物語の春のレビュー・感想・評価

4.1
正直ナメていた、良い。

フランスとジブリの共同製作で全編セリフなしというあまりにも異色な映画。
セリフがないということは説明が全くないということでありまして、そんな中ファンタジー的映像が展開されるものだから、あまりにも解釈の幅が広過ぎて困惑しさえする。
けどとても綺麗で力強くて、得も言われぬ余韻と満足感を与えてくれる。
綺麗で力強いとともに怖さも感じる。サバイバル的怖さであったり、圧倒的な自然の怖さ、個人的には海もめちゃくちゃ怖い(海洋恐怖症)。そしてお話もなんだか怖い。綺麗なんだけど、不気味さも感じる。

「ここはこうなのでは?」みたいな考えが浮かばないこともないけど、映る全てが抽象的過ぎてそういった考えも全て捩じ伏せられる。

抽象表現だけで成り立ったこの映画、困惑しさえすれど、この映画の意味を自分の中で考えたりすることに対して不親切な作りにはなっていなくて、自分なりの考えは出せるしそれに自分で納得出来た。そういう過程も含めてこの映画の楽しみなのだと思う。

アニメと映画の可能性を感じた。不思議で素敵な映画。
春