ヤッスン

レッドタートル ある島の物語のヤッスンのレビュー・感想・評価

3.7
セリフが一切ないまま描かれる命の流れの描写が上手い。
決して美麗というわけではなく、それでも繊細で趣のある映像、心地よい音楽。それらに心を掴まれあっという間の80分だった。
まさに映像と音楽で語る作品で、ちょっとした動物のショットや人物の行動で、様々な解釈が生まれそう。しかし人物が何をしようとしてどう考えているかはセリフなしでもなんとなく分かるのが上手い。

劇中流れる年月は鑑賞前の想像よりずっと長く、その中で様々な命が消えては生まれていく。長生きの象徴である亀の登場や役割が切なく面白い。
レッドタートルの正体やあの島での生き延び方など、そのあたりの違和感さえ払拭できる、長くも短くもある物語。
ヤッスン

ヤッスン