YUMI

特捜部Q キジ殺しのYUMIのレビュー・感想・評価

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)
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前作より色んな意味でパワーアップしていて面白かったです。
相変わらず主役二人のむさ苦しさ。しかしそこが気に入っている身としては、えー?女性秘書なんか入れちゃう??と思ってしまいましたが、そこは男の世界を壊さない節度が感じられました。
そしてこれまた相変わらずの猟奇的な雰囲気もイイですね。
特に気に入ったのは、キミーの残したバックからミイラ化した赤ちゃんが見つかるシーン。
それまで始終独り言を呟いていて
、ちょっと頭おかしいのかな?くらいにしか思ってなかったけど、そうか、この子に話しかけてたんだ、とここで判明すると同時に、彼女の哀しい過去が偲ばれる、いいシーンだったと思います。

前作では頑固で偏屈でありながらも、自分のせいで全身付随になった部下を見舞うシーンで、カールの優しさを感じましたが、今回、それがさらに深くなった気がします。
それは、カールがキミーに更生して幸せになってほしいと心から思っているのが伝わってきたから。
それと、ビール2本持って息子の部屋のドアを叩くラストも良かったですね。人間不信で閉ざされた彼の心が、アサドの存在も手伝って、少しずつ和らいで来ているように思えます。シリーズが進むにつれて、その傾向は増していくんでしょうね。
キジ殺しというタイトルの意味がよくわからなかったのですが、何故か日本の昔話「キジも鳴かずば撃たれまい」ってのと不思議に被る気がしました。キミーも警察に通報しようとさえしなければ、20年も恐怖に怯えながら逃げ続けなくても済んだんだからね。ま、黙っていたらいたで、良心の呵責に苦しんだだろうけど。
終盤のキミーのカッコ良さ?は、「ミレニアム」のノオミ・ラパスを彷彿とさせました。そんだけ男どもがダメダメだったって事でもありますがw
男の別荘?家?まで行きながら、引き金を引けなかったシーンに、キミーの断ち切れない愛の深さが感じられて切なかったです。それだけに、自ら炎に包まれる最期を選んだ彼女は、遂に彼と一緒になれて幸せだったんじゃないかな。
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