鹿江光

特捜部Q キジ殺しの鹿江光のレビュー・感想・評価

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)
3.5
≪70点≫:悪魔と不条理の果て。
1作目は「犯人は誰だ」的な謎解き要素も強かったが、本作はそれ以上に人間ドラマに注力した物語になっている。視聴者は既に犯人が誰でどういう関係かを知りながら観ているため、事件の真相が明るみになっていくスリルは薄い。その代わりドロドロとした不条理な湿気が色濃く映し出されている。ミステリというよりはサスペンスドラマ。これはこれで北欧の重苦しい雰囲気と相性が良く、食い入るように観れてしまう。
バディのキャラ立ちも程良く、熱血すぎる刑事と、一線を超えぬよう最後のストッパーとなる相棒。今回は根気強い秘書と猫一匹も加わり、特捜部Qも少し賑やかになった。
にしても今回の未解決事件は関わる人間全員がクズすぎて、なかなか感情移入も難しかった…笑 人間の皮を被った悪魔とはまさにこのこと。ただその異常性というか変態性というか、そういう部分がじわじわ匂ってくる演出は、胸糞悪いが良かった。
3作目は原作が文学賞を受賞しているものらしいので、さらに期待したい。この2人にハマりつつある。
鹿江光

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