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特捜部Q キジ殺しのボロロボのレビュー・感想・評価

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)
3.6
一作目のエグさが強烈だったせいか、二作目はややトーンダウンか。

“眉間のシワ”コンビ、今回は歯車的存在で、カールもアサドも捜査におけるキレは今一つ。当作から秘書:ローセが加わって、彼女の優秀さが目立つ。カールは特捜部Qのリーダーらしく指揮官的ポジションに。

当作では、キミーとディトリウとウルリクの三人を中心にお話は展開する。メインは20年前に付き合っていたキミーとディトリウ。現在と過去を行き来しながら過去に重ねた悪行の数々を掘り起こしていくのだが、前作ほどではないけれどこれまたエグい。現在では、人生を謳歌しているディトリウと過去に激しく苛まれているキミーがとても対照的。

現在のディトリウを演じるピルー・アスベック、「観たことあるよなあ」と思っていたらGoTのユーロン・グレイジョイだった! なるほど感w。他には「オーヴァーロード」のナチの大尉役、「ゴースト・イン・ザ・シェル」のバトー役、でしたね。

20年前のキミーは、スクールガールなのに何とも言えない妖しさを漂わせて魅力的。サラ・ソフィー・ボウスニーナという女優さんなのね、覚えとこ!

というわけで当作では、愛すべきコンビよりも、真犯人だった二人のロマンス&クライムがメインでした。“眉間のシワ”コンビに期待すると肩透かしを喰らいますが、それ以外は前作同様にすばらしい出来。

カールが捜査を決断するきっかけになった元警部の自殺についてはもっと掘り下げた方がよかったかも、と個人的には思う。青春のおイタを中心とした描写はややもすると耽美的で、怨み成分が薄まってしまったのではないかと。その代わり、ディトリウに対するキミーの愛憎が際立ってくるので、当作の作り手はそこを狙っていたのかなあ。

ウルリクの添え物感。でもカギを握る。

問題児三人の周辺に見え隠れして、彼らの悪行を揉み消そうとする忖度まみれのイヤらしい存在たち。弁護士以外はほとんど登場しないけど・・・こういう不気味な者共をサラッと描いているところもまた当作の重たい魅力か。

タイトルの「キジ殺し」の意味。
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