洋画好きのえび

特捜部Q キジ殺しの洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)
3.7
フォローしている方々がおもしろいとコメントされていたので鑑賞。スターチャンネルの無料放送で観たのでシリーズ2作目からだけど大丈夫かな…と思ったが、サスペンスとしてはちゃんと楽しめた。カールとアサドのバディ感を楽しむには一作目から観た方が良さそう。

未解決事件の捜査を専門に行う部署「特捜部Q」の刑事カールとアサドが、20年前の高校生殺害事件の真相を追う…というストーリー。20年前の映像と現在の映像が交互に流れるため、観客には20年前の事件の真相はうっすらとわかるようになっており、カールとアサドが犯人にどのように迫っていくのか?という構成になっていた。そのため、犯人は誰なのか?という推理面よりも、犯人たちの性格やこれまでの人生にスポットを当てたものになっていた。
北欧ミステリーを観て思うけれども、映像は暗めだし、ストーリーも暗いし、犯人たちの犯行は残虐で動機にも一切の同情の余地がなかったりと、各国のミステリーと比較してもかなり重いものが多いと思う(アメリカはサイコパスを乱発しているイメージ。日本は復讐系と権力者が犯人でした系多め、時々サイコパスなイメージ)。今回の作品の焦点は人間の残虐性と狂気、そして、複雑な立場に置かれた女性キミーの心情といったところ。北欧には人の内面の暗い部分もゴリゴリに描いていこうという空気があるのだろうか。こういう所で国によって違いが出て面白い。変にお涙頂戴系になるよりも、個人的にはこういうテイストの方が好きです。
ところで、タイトルの「キジ殺し」。どこにもキジ出てきてないけど…??と思って後で調べてみたら、雉狩りは金持ちが娯楽のために行う狩猟であるということから、このタイトルになっているらしい。この作品のメインポイントを網羅する良いタイトルでした。

カールがなぜあんなにも捜査に入れ込むのか、なぜアサドはあんな滅茶苦茶なカールを支え続けるのか等、二人のバックグラウンドがイマイチ飲み込めず消化不良になってしまったので、1作目を観てからまた本作を観直そうと思います。