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ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>のTEPPEIのレビュー・感想・評価

1.8
興行的には大成功した1作目に比べれば、失敗した「ミュータント・タートルズ 影」は遥かにマシな出来になっている。「G.I. ジョー」顔負けのトンデモアクションに、「トランスフォーマー」顔負けのマヌケなキャラクターを組み合わせた子供向けでも大人向けでもない、何とも微妙な位置の新生タートルズ。マイケル・ベイプロデュースのもと、フルCGで描かれるタートルズはヘンテコ忍者さながら今更感半端ないリメイクの犠牲にされたが、オモチャを愛してた、アニメを愛してた世代は取り込めた模様。勢いに乗って作られた本作は、予告編の公開時から前作と何が違うんだろうって思ってしまうほど違和感も新鮮味もない。
前作に比べればタートルズたちは非常にチャーミングになったが、たとえばこれを小さい頃に見て印象に残るかはまた別。異色のヒーローものとしての確立はかなり厳しいと見た。正義が全く正義に見えない、それはまるで「バトルシップ」とか「GIジョー」とか、とりあえずそういう系統の粗が共通している。
悪役がしょうもない、キャラクターがつまらない、全く踊らないむしろ意味不明なストーリーが揃うと肝心のアクションより目立ってしまう。ついでに既に本作のストーリーは忘れた。とりあえずサイとイノシシと、異次元の敵が出てくる。タイラー・ペリーがよく分かんないクソ野郎を演じてたぐらいで、あとはミーガン・フォックスがひたすらグラビア並みの演技力だったということ。
ビジュアル自体はよりポップになって、このあたりは前作より好感を持てた。監督もジョナサン・リーベスマンのゲンナリなテレビゲームみたいな撮り方より断然好き。
しかし表面的に人間の黒い部分を出して見たり、「X-MEN」で散々見せてきたテーマを微妙に呈示したり、なんだかアンバランスな作品だった。アクションも飽きてしまい…結果、亀がピザを食う映画だった。
総評として「ミュータント・タートルズ 影」は焼き回しのような続編で、原題のとおりティーンエイジャーをワクワクさせようと必死だが、それでも馬鹿馬鹿し過ぎた。
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