叡福寺清子

デッド・ノート/デス・ノートの叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

北大西洋の荒波が打ち付ける岩礁に一人起立する黒衣の男.掴みはバッチリ.ハードル低めで視聴を開始したがこのOPシークエンスでちょっと姿勢を正し直した.
訳あり新米女性警官,近所で有名なクソガキ.仕事サボってカーセックスに耽る先輩警官.アクが強い巡査部長.DVで勾留される教師,どこか翳のある医師,そして冒頭の黒衣の男.劇中台詞があるのはこの8名.キャラクター描写が秀逸で,動きが少ない前半も退屈しない.やはり只者ではないぞ,この作品は.
物語後半.黒衣の男の言葉に触発されて,人々が本性を表しだすと画面を赤色が占め肉片が飛び散るようになる.もう一度姿勢を正す私.
劇中唱えられる文言,聖書からの引用と思いググったがヒットせず.作中だと字幕で文字数制限付きの意訳だったからヒットしなかったのか.本作を解読するうえで重要な因子なのでちょっと残念である.
重要な因子といえば黒衣の男の正体.エンドロールにはただ「six」とだけあった.そこで第六位の天使を調べてみるとwikiさんに「能天使,悪魔を滅する任務を持つが、悪魔と一番接する機会が多いため、一番堕天使になりやすい地位だという」との文言が.おぉ,劇中にもそれっぽい台詞があったな.敬虔な耶蘇教が視聴したらピンとくる類かしらね.
あと幼女レイチェルの事件.当然ながらマーターズを連想する.そのマーターズは人が人のまま教義を体現しようとした集団の物語.本作は天使が人を使役し教義を体現しようとする物語.対とはいわないが,セットで視聴することで何かを得られるかもしれないな.
どっちも赤色・お肉ちゃん多めで視聴者を選ぶ作品だけど.