こたつむり

パラドクスのこたつむりのレビュー・感想・評価

パラドクス(2014年製作の映画)
3.6
メキシコ産の脳ミソ酷使型ぐでんぐでんスリラー。

冒頭から個人的な話で恐縮なんですが、僕は映画に限らず、何事においても先入観を抱きたくないタイプであります。だから、自分にとって未鑑賞の映画のレビューは、失礼ながら薄目で拝読しておりまして。「あ。これ気になる映画だわん」なんて単語を見つけたら、その文章の内容が記憶から飛ぶまで放置してから鑑賞に臨んだり。また、鑑賞が決まっている作品の場合、拝読すること自体を後回しにさせて戴いたり。と、本当に失礼なヤツです。スミマセン。

と、映画に直接関係がない言い訳をグダグダと書きましたのは。

本作は偶然にも予告編を鑑賞前に観てしまったのでね。序盤で悔やんでしまったんですよ。「あー、こりゃ、先入観を完全に排除した方が楽しめるタイプだなあ。失敗したなあ。予告編の内容を忘れるくらいに時間を置けば良かったなあ」なんて思ってしまったわけですよ。

ところが。
中盤からの展開は。そんな懸念を忘れるくらいに。鳥肌が立って。口をあんぐり開けて。そう。序盤とは違う顔を魅せてきたのです。と、言いましても。所謂“どんでん返し”系ではありません。また、“背後からいきなり殴られる”系でもありません。どちらかと言うと、素潜りをしていたら、何者かに足をいきなり掴まれて。ぐいぐいと深海まで引き摺り込まれる様な感覚。暗くて。息苦しくて。そんな印象でした。

しかも。
観終えた後の、この酸素が足りない感覚は。
まさに、脳細胞を酷使した結果でありましょう。頭を空っぽにしてB級スリラーを楽しもう、なんて思っていたら痛い目を見るタイプです。もうね。ぐでんぐでんですよ。途中で糖分が欲しくて仕方がありませんでした。メーデー!メーデー!

ただ、あえて悪いところも書くとすると。
作品内で行われる“世界観のネタばらし”って相変わらず難しいな、と思った次第。ドット単位で的確にクリックしないとダメなゲームのように、言葉の配置が数ミリ単位で違っても印象が大きく変わるんですな。語り過ぎか、語らな過ぎか。本作の場合、それが本当にギリギリのところで語り過ぎた気がします。でも、これは神経質な僕だから気にしたことかもしれません。気にされない方は気にしないと思います。

最後に余談として。
何の因果か、小学一年生の愚息も一緒に鑑賞していたんですけど。彼が鑑賞後にぽそりと言った一言が、本質を的確に捉えていて、ぞわっとしました。字幕が読めないのに映像だけで判断したとは、なかなか将来楽しみかもしれませんね。って思うのは親バカ?