ハレルヤ

チャイナ・ゲイトのハレルヤのレビュー・感想・評価

チャイナ・ゲイト(1957年製作の映画)
3.8
1940年代後半から50年代前半まで巻き起こったインドシナ戦争。中国との国境付近にあるベトナムの巨大な軍事倉庫の破壊を命じられた主人公のブロック率いる傭兵たち。ブロックの元妻が現地の案内を任され、危険な任務へと挑んでいく戦争ドラマ。

先日「ショック集団」「裸のキッス」と立て続けにサミュエル・フラー監督作品を鑑賞しました。この2作でも感じたことですが、この監督は短い時間で物語をしっかりまとめるのが本当に巧い。

ただの戦争映画だけでなく、人種に対する偏見も違和感なく物語に絡ませていて、骨太な仕上がりになっています。

それほど戦闘シーンが多い映画ではありませんが、その分登場人物たちの人間描写が丁寧でしたし、どこから自分たちの身に危険が降りかかるか分からないジャングルの不気味な雰囲気もあるので見応えは抜群。

そして劇中で何度も響く壮大な音楽も本作の大きな魅力の1つ。この音楽が醸し出す効果は、その場面場面の空気をより身近に感じさせてくれるものでした。

ラストシーンも派手さはなくとも、胸にジーンときましたし、色々考えさせられた場面。これほどの映画が数年前まで日本では未公開だったというのも驚きでした。
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