イライライジャ

白い風船のイライライジャのレビュー・感想・評価

白い風船(1995年製作の映画)
3.8
ずっと観たくてやっと鑑賞。
またイラン映画の良作と出会ってしまった。
金魚を買いにおつかいに繰り出した女の子が、買う前にお金を溝に落としてしまい途方に暮れる。

『友だちのうちはどこ?』の女の子版のような映画だがキアロスタミは本作で脚本を担当。
イランは子供映画が多いけど、政治的論争や検閲を比較的避けられるからである。

赤い洋服を着てめそめそ泣く女の子が愛らしい。子供にとってお金を落とすなんて人生終了したのかってほど絶望的。でも大人からしたら大したことなくて、軽くあしらったり、純粋無垢な焦りを可笑しく利用する。
(昔本屋で働いてたときに、レジでお金が足りなくて硬直したまま泣き出した子供いたなぁ。)

タイトルの白い風船はいつ出てくるんだと思っていたらそこで…。ラストで一気にこの映画の見方も真の主役も変わる。忘れられないラストカットになりそう。見事。

500トマーンは日本円でまさかの10円程度。