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都会の放浪者のyのレビュー・感想・評価

都会の放浪者(1966年製作の映画)
3.8
ある日、道端に落ちていた銃を何気なく拾ってしまったら、それはとても身近でしっくりくるものとなり、無意識に積もっていた死への欲望をかきたてる。使うことも捨てることも赦されず、かと言って他人に奪われれば惜しいと思う。拳銃という一つのアイテムを手に入れた人間の心情を、殆ど台詞が無いなかで繊細に表現するファスビンダーの手腕。『第三世代』における、青年が本を奪われて若者たちに投げ回され虐められるシーンは、本作からのセルフオマージュだ。
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