ノラネコの呑んで観るシネマ

KUBO/クボ 二本の弦の秘密のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
4.7
古の日本を舞台に展開する、貴種流離譚。
月の魔王の娘と人間の侍とに間に生まれたクボが、魔王を倒せる三つの武具を捜し求める。
冒頭の海の描写にもう驚愕。
もはやCG並みにシチュエーションを選ばず、ストップモーション技法の究極形か。
設定的にもテーマ的にも、「かぐや姫の物語」のアクションファンタジー版といった趣き。
主人公がストーリーテラー設定なので、そこに物語論も組み込まれている。
クボが使うのは三味線のはずなのに、サブタイが「二本の弦」の理由には思わず涙が。
いつでもない、どこでもないファンタジーとしての日本。
しかし折り紙を重要な要素にしたり、随所に滲み出る日本文化へのリスペクトが熱い。
アクションやキャラクターの所作は黒澤映画を参考に、きちんと殺陣師をよんで動きを作っているそう。
万人に受け入れられる、ファミリーエンタメの傑作だ。
ちなみにかなり3Dを意識した演出がなされているのだけど、劇場公開時には3D版は用意されるのだろうか?
ブログ記事:
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