柏エシディシ

KUBO/クボ 二本の弦の秘密の柏エシディシのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
4.0
瞬きするなら今のうちだ。
クボの口上の通り、まさに一瞬一瞬が尊いストップモーションアニメの新しい傑作。スタジオライカからの日本へのラブレター。

主人公クボの三味線で操られるオリガミの躍動感がストップモーションアニメというハンドメイド感とも絶妙にリンクしていて童心に戻った様に楽しんでしまった。
巨大なガシャドクロには、もちろんハリーハウゼンの髑髏剣士が大好きな身として大いにドキドキワクワクさせられてしまう。

基本プロットは日本の昔話と古今の英雄譚を思い起こさせるものの、人物たちが英語で喋っていて(しかも、シャーリズ姉貴にマシューマコ兄貴!)、絶妙に日本というより中国武侠映画的なオリエンタルちゃんぽん
もあり、其処のズレ感もシネマ的ヒップホップフィーリングで気持ちも良く。
ジョージのジェントリーウィープスをレジーナスペクターに唄わせるという感覚もジャストです。サントラ買おう。

さっきから感覚とかフィーリングとか言ってしまうけれど、アニメーションの魅力というのは、名前の通り本来実写では表現出来ないモーションやディフォルメにあると思うのです。そういった原則に則った快感を味わせてくれる「アニメ」映画って、最近、実はそう多くはない。
KUBOはそういった原則に極限まで忠実な所が傑作たる所以。
たくさんの日本の子供達に観てもらいたい映画。
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