モウドクウサギ

KUBO/クボ 二本の弦の秘密のモウドクウサギのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
3.9
最先端の人形劇。CGで再現できる技術があるのにもかかわらず、表情のひとつづつを立体で作り、わずかに動かしながら撮影する。恐ろしく労力がかかる手法ながら、その分、キャラクターに魂が宿る。その手間暇に加え、ストップモーションであることを忘れる滑らかな動きは凄まじい。今作は、さらに「物語がなぜ作られ、どのような役割を担うのか」といった、メタで重層的な構造を成し、作り手の内に迫る。一方、そのメタファーとして描かれる❝冒険譚❞は、この対比・コントラストを鮮明にさせるためか、やや陳腐でありきたりなのが惜しいところ。とは言いつつ、「これ、ダクソ3のウォルニールだろ」「これも、ダクソのイザリスに出てきた目玉ミキサーだろ」とゲーマー馴染みの日本初RPGを彷彿とさせるモンスターも登場し、その変わった物語とともに強く印象に残る一本だ。