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KUBO/クボ 二本の弦の秘密のkrhのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
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開始3秒で「これはやべえ」と思わせられる狂気の緻密さ。全ての人・物・パーツが同じタイミングで動くことはなく、どれだけコマを割っているんだ…とゾッとするほど。
あくびのときの頬と喉の震えや、紙を拾い損なう描写など、観察眼と落とし込みにも感服する。コマ数増えるのに…
驚異的な緻密さとCG技術プラスで見せてるとはいえクラフトの温かみある手作り感も充分残されているし、本物の光と影の説得力が抜群だから、いくら技術が進歩したとは言え、まだ3DCGアニメやVFXだけではこれは再現できないと思った。
何より魅力の質が全く違うので、こういう手仕事のクリエイションに敬意を払い続けていきたいと思う。

日本リスペクトはひたすら有り難い。橋を渡って町に入る描写は時代劇だろうし、紅葉の舟は見立てからだろうし、浮世絵のルックを模してると思われるものもたくさん。猿は日本画か彫刻だろうか?仕草が欧米人なのは、欧米人が観るものだから仕方ないとして。

クレジットの「私の二本の弦である父と母に捧ぐ」の一文で、想いが自分自身の父母に向かって急ハンドルを切ってしまって、涙がボロっと出てしまった。
これがいつか終わる物語だって知っているからだろうな。
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