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KUBO/クボ 二本の弦の秘密のslowのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
2.9
コマ撮りアニメの進化と終末…
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″フルCGにしか見えない!″
この一言に尽きる。

眼に映る映像すべてが
フルCGじゃないのに
フルCGと変わりない映像美と
迫力に興奮する!!!

ストーリーはRPGモノや
日本昔話の王道であり、
語るほどの面白さは無い…。

ただ面白いと思ったのは
洋風の独壇場である
「ファンタジー」要素を
″洋″とは不釣り合いな日本!
しかも「時代劇」を
舞台にするという新鮮さ!

とくに悪役の姉妹は
日本の幽霊と忍者、
西洋の魔女を合わせた姿で
面白いキャラデザだなぁと感心。

外国人から見た
″ファンタジー″とは
こういうものかと
時代劇の風景と
西洋のファンタジー要素が
うまく融合してた事に感動!

外国人からしても
日本の風景は″異世界″であり、
「ファンタジー」に見えるのか。

スタジオライカが作る映画は
どれもダーク風で
今回の悪役も恐ろしいけど
王道の昔話をなぞらえてる為,
綺麗なお話になっており、
昨今のCGアニメに
肩を並べようとして逆に
コマ撮りアニメの魅力を
失ってる気がした…。

コマ撮りで動かすからこそ
動きの″ぎこちなさ″が
「あ、これ人形なんだよな」
「キャラのしぐさや動作も
スタッフが毎回修正して
一枚一枚撮ってるんだな」
とか映像を見ながら
二度感動を味わうのが
コマ撮りアニメの魅力と思う。

本作はまるでフルCGのように
滑らかに撮ってるので
コマ撮りだと気付きにくい…。

フルCGに匹敵する映像美を
目指すならもはやそれは
フルCGでやればいい話。

特撮でもそう。
「あれが作り物だな」と
分かる瞬間に
「特撮ってすごいな」
と感動する。
映像が何でもかんでも
リアルで美しければいい
というものじゃない。
″ぎこちなさ″も大切な味。
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