ハッピーアイスクリーム

KUBO/クボ 二本の弦の秘密のハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
4.5
三味線で折り紙を操る不思議な力を持った少年クボが、自分の左眼と両親の命を奪った祖父“月の帝”を倒すため、仇討ちの旅に出るアニメーション・ファンタジー。

終わりは新たな物語の始まり。

アカデミー長編アニメ映画賞にノミネートされ、世界中で高評価を受けたストップモーションアニメ。
日本のサムライの世界観をモチーフに死生観や人の絆の結びつきを描いた冒険活劇でした。

高評価とはいえ海外のアニメ映画だし、と気軽な気分で鑑賞し始めたんですが、とても壮大なテーマを持つ作品で感慨深いものがありました。
これを日本人ではなくて、アメリカの方たちが作ったというのが驚き。
僕がこうであって欲しいと願う“生命の物語の定義”を完璧に描いてくれていた。感想としては、ありがとうという気持ちでいっぱいです。
それでいて魅せるファンタジーアクションとしてもハラハラ、ワクワクの見応えのある仕上がり。独創的な映像世界も見事。
サルとクワガタの掛け合いが楽しいのだけど、これがシャーリーズ・セロンとマシュー・マコノヒーのやり取りだと想像するとまた面白い。

“瞬きするなら今のうちだ”

“思い出は消えない”

想いの連鎖。命の絆。
永遠に続くのではなく、やがて終わりが訪れるものに想いが宿り、次に受け継がれていく。

僕が映画というたくさんの想いが宿った完結する物語に、こんなにも魅了される理由が少しわかった気がします。