COZY922

神様メールのCOZY922のレビュー・感想・評価

神様メール(2015年製作の映画)
2.0
神様 = 素晴らしい人格(神格?)ではない。それはそうだろうなと思う(^^;)。キリスト教徒ではないから詳しくはないが、聖書に出てくる神様はよく怒る。ギリシャ神話の神、例えばゼウスは正義と慈悲の神、悪者を罰する神でありながら一方では次々と妻以外の女性に手を出しまくる。太陽神アポロンはあらゆる知的文化的活動の守護神である一方、人間を自らの放った矢から広がる疫病で虐殺したりする残酷さを持ち合わせている。それに神様がよくできた方ならば この世に不公平や差別、理不尽な出来事はきっともっと少ないはずだ。だから、この映画のように性悪な神がいても不思議じゃない。

しかし、しかし、神様が最初に作ったのはベルギーのブリュッセルで、自分もブリュッセルのアパートに住んでいて、その一室から人間界の不幸や災難、嫌がらせや理不尽な出来事を起こしまくっているという奇想天外な設定にはぶっ飛んだ(笑)。しかも パソコン操作1つでそれをやるのである。それも自分のその日の気分一つで気まぐれにやる。こんなクソ親父が神様かと、ファンタジーとはいえ唖然としてしまった( ̄▽ ̄)。

クソ親父と感じているのは観客だけではなく神様の娘も同様だった。娘エアは人間に不幸をもたらす父に嫌気がさし、父への反抗心から、パソコンから全人類にそれぞれの寿命を知らせるメールを送ってしまうのだ。更にエアは兄キリストから家出を勧められて人間界へ降りていくのだが、、。

正直に言ってぶっ飛び過ぎて 置いてきぼりをくってしまった。物語は娘エアが人間界で使徒を探し、出会う人々ごとのエピソードを綴る計6話の構成から成るのだが、この話の1つ1つがまた、?マークで頭の中が飽和状態になる展開で参った(´・ω・`)。ラストも私はついていけなかった(^^;)。ファンタジックなブラックコメディに目くじら立てても仕方ないのだけれど、ファンタジーならファンタジーなりに その世界観の中での整合性というか筋を通してほしかったと思う。

そんな、私にとっては ?マークでいっぱいの映画だったけれど、わからないなりに無理やり総括すると、皆もっと自分の気持ちに正直に自分のやりたいことをやって生きようよ、ということだろうか。自分の寿命が明らかになり死期を知ったら、多くの人は残された時間を最大限楽しんだり、大切な人との時間をより大切にしたり、やろうと思いながらやれていなかったことを実行に移したりするだろう。普段意識していようがいまいが寿命は有限なのだ。秩序は守りつつも、精一杯好きに生きよう(笑)
COZY922

COZY922