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神様メールのmのレビュー・感想・評価

神様メール(2015年製作の映画)
4.8
傲慢で性格が悪い神に怒った神の娘が人類全員の余命をバラし世界は大混乱。神の娘は混乱を治めるべく「新・新約聖書」を作る為にホームレスの老人を筆記役にして新たな使徒達を訪ねていき、一癖ある人ばかりの使徒達に小さな奇跡を起こしていく。というシニカルな筋書きながらとてもハートフルな、神無き時代の為の御伽噺。世知辛く悪夢のような世の中なのだから、こういう映画があっても良い。

片腕が無い薄幸美女に性欲に囚われた冴えない男等、使徒達の設定が皆見事に捻ったマイノリティで、そんな世間の爪弾き者である彼らに起こる奇跡をマジカルな描写で描いていく所にこの映画の愉しさがある。ジェンダーの壁を軽々と超えて何でもありになっていくのも良い。

神の娘役の女の子の眼差しの反抗的な鋭さが印象的。

驚いたのがこれが名作「トト・ザ・ヒーロー」「八日目」や「ミスター・ノーバディ」のジャコ・ヴァン・ドルマル監督作品である事。確かにこれまでのジャコ監督作品もマジカルではあったけれど、その一方でもっとどうしようもない哀しみもあった。今回のこの明るさは新境地。


あまりに性格が悪過ぎる神に神父がブチキレてボコるシーンで爆笑した。
神がもしいるならこういう奴だという予想図には共感する。
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