神様メールの作品情報・感想・評価

「神様メール」に投稿された感想・評価

序盤★5 中盤★3 終盤★3.5

「お嬢ちゃん、人生とはスケート場なんだ。
だから大勢が滑って転ぶんだよ」

『トト・ザ・ヒーロー』、『八日目』、『ミスター・ノーバディ』、そして本作で長編は4本目と寡作の監督ですが、
『ミスター〜』を観てその世界観と映像美に惚れ込み、
前2作品も観て『ドルマル・ワールド』を理解していたので、
非常に楽しく観れました。

やっぱこの監督の映像感覚は非常に好みで、
自分はミシェル・ゴンドリーとかのセンスに近いもんを感じますね。

聖書を基本に、ブラックユーモア、かなりのおふざけ、人生や愛の讃歌等々を重すぎず、ちょっと脚本や演出が軽いかなとは思うものの、
示唆に富んだ内容はさすがドルマル!

2017年279本目
Ketty

Kettyの感想・評価

3.2
神がブリュッセルを創るところから始まるんだけど、もう色々設定がヘンテコ(笑)キリスト信者はちょっと不満に思うのでは。
でもフランス(?!)映画だと括って観ると、ちょいちょいメルヘンな感じとか、変な話の展開とか、受け入れられるし面白い。一方で現代のシリアスな悩みを抱える何人かにフォーカスして物語は進んでゆくところもこの映画らしさかな。

邦題やポスターの文言もう少し変えた方がよいと思います!
watarihiro

watarihiroの感想・評価

4.2
ベルギーのブリュッセルのとあるアパートに暮らす神様。彼は暇つぶしにパソコンで世界に災害もたらしたり戦争起こしたりとやりたい放題。そんな父に嫌気がさした神様の娘は家出を決意。地球の人に余命メールを送信し、家出し、新・新約聖書を作るために6人の使徒を探す。余命メールの事を知った神様は娘を追いかける、、、。

中々なダークコメディでした。ずっと前に見た予告では少女の奮闘記みたいな感じかと思いきや、余命を知った人達が抱えている殺人衝動や家庭不和といった問題を抱え、それを少女がナレーションするといったシュールな作品でした。

本作の神の描き方は斬新。神って言ったら神々しいけど、まさかのひどい感じの親父。でもそれが本作のユニークな所でもあるし、まさかの自宅の洗濯機が外に通じるといったやりたい放題の設定みたいな感じが良い味を出してた。

色々と考えさせられました。余命は今分からないけど、もし分かったらどんな気持ちになるんだろう。余裕出る人や落胆な人も様々。そしてあのほっこりするようなエンディング。見て良かった作品でした。
大きな存在が小さな物語を意識させる。
nongtang

nongtangの感想・評価

3.7
思ったよりシリアス。余命宣告された人々がどう生きるかの映画。エア超かわいい〜ラストシーン超かわいい〜
自分の寿命が正確にわかったらどうする?という思考実験SF×メルヘン

文字通り父なる神であるこの物語の悪役もふくめて、登場人物みんなコミカルでかわいらしい。

画面のビジュアルも面白かったし(流石に最後の空模様は気が狂う!と思ったけど)、女の子が6人の使徒に順番に会うだけなのにそれぞれのキャラクターの違いとか、物語の伏線と回収もしっかりあって最後まで画面にひきつけられる。

しかし、すごく好きかと言われるとうーーーーん。
愛のままにワガママに僕は君だけを傷つけない的なメッセージは伝わるんだけど、まあぶっ飛んでるので自分と登場人物をリンクさせづらい。

身体的な欠損を抱えている、社畜、モテないオタク、昔はモテたおばさま、殺人者、毒親持ちなどで現状に強い劣等感というか疎外感があって、登場人物に深く共鳴できる人ならもっと楽しめるんじゃないかな。

色づかいがハッピー
暗い内容と不気味な雰囲気と悲しくなる音楽
JoAriyoshi

JoAriyoshiの感想・評価

3.5
フランス語。面白かった。芸術的。
★ 澄んだ空の日、あなたの瞳に花束を

神様は中年の男性。
マンションの一室で妻と娘を軟禁し、パソコンに向かって「世の中を不幸にしてやる。うけけけけ」…ってどんな妄想ですか?と思わず突っ込みたくなる序盤。

現実なのか、妄想なのか。
本気なのか、冗談なのか。
綱渡りのように境界線の上をゆらゆらと揺れる物語。

だけど、とても素敵な作品でした。
ベルギーの映画だからかフランス語…というのも浮遊感が増して良い雰囲気。こそばゆく感じるほどに手触りが優しいのです。

また、そんな優しさとは裏腹に。
物語の奥底に仕込まれた毒(ポワゾン)が良いアクセント。ぬるま湯の世界観ではないからこそ、些細な“幸せ”がじんわりと沁み入るのでしょう。

そして、その毒を担うのが《神様》とは皮肉的。うん。本当に嫌な奴なのですよ。確かに現実を見渡しても肩が下がることばかりですからね。実際に《神様》が居たとしたら、こんな嫌な奴に違いありません。

ただ、救われるのは主人公が《神様》ではなく、その《娘》であること。10歳くらいの可愛らしい女の子が《神様》に反抗していく展開なのです。そして、その手段は親に似て過激的。全人類に“余命を知らせる”という真にメイド・イン・ヘブン。

だから、大切なのは“覚悟”でした。
新しい世界を切り拓くのも。
愛しい誰かに想いを告げるのも。
自分の意思が重要なのです。

まあ、そんなわけで。
センスの塊のような物語なので人を選びますが、日常に潤いが足りない…なんてときにはピッタリの作品。ただ、ベルギーのお国柄か、性的な場面が多いので子供と一緒に観るのは相応しくないかも。

最後に余談として。
ネットで検索したら本作の邦題について言及した記事がありました(『月間SPA』)。確かに邦題をつけるのは難しいと思います。でも、タイトルって製作者の想いを端的に伝える大切なもの。たとえ堅苦しくても“原題”に沿うことが重要だと思います。
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