ぶみ

ナイト・チェイサーのぶみのレビュー・感想・評価

ナイト・チェイサー(2015年製作の映画)
4.0
ジュリアン・セリ監督、ジョナサン・ハワード、ジョナサン・ドマルジェ等の共演によるフランスのアクション・スリラー。
タクシー代を踏み倒した若者二人が、顔を見せないタクシー運転手に執拗に追いかけられる姿を描く。
こうあらすじを書くと、私のベストムービー、スティーヴン・スピルバーグ監督の『激突!』を彷彿とさせるものであり、確かに序盤まではそんな展開を見せる。
テンポ良く物語は進み、中盤からは、タクシー運転手がクルマから降り無双っぷりを見せつけ、バイオレンス度が一段とアップするため、サイコ・スリラー的な趣となり、一定の帰結となるが、そこからがこの作品の肝。
終盤は、突如舞台が変わるとともに映像も変化、序盤の雰囲気からは想像もできない明後日の方向を向いたラストを迎え、それがまた何故だか心地良い。
邦題がB級っぽさ全開なのに対し、原題は『Night Fare』であるため、直訳すると『夜間料金』となり、これも正直今ひとつ。
ご都合主義的な面も見られるものの、美しいパリの街並みをバックにクライスラー300Cのタクシーが走り回る姿を堪能でき、驚愕の真相を受け入れられるかどうかで評価が変わるとともに、タクシー運転手の囁きが気になる良作。

踏み倒しは許されない、負債は必ず返済される。
ぶみ

ぶみ