片腕ファルコン

PLAYBACK~アレクセイ・ゲルマンの惑星の片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

2.7
今年一番の問題作『神々のたそがれ』を絶賛する訳でもなく貶す訳でもなく[何かスゴイ!3.0点]で逃げた片腕ファルコンです。

年末にケジメとも言うべき作品が3日間限定で上映されたので点数評価がやたら低めでしたが見に行く事にしました。

『神々のたそがれ』のメイキング・ドキュメンタリーでございます。まず結論から言ってしまえば本当に本編の特典映像にちょっと毛の生えた感じのメイキング。1本の作品としての完成度は低かったです。しかも制作年数を見ても分かる通り2012年の作品で、実は『神々のたそがれ』が未完成の状態のまま、このメイキングは終了している。まるで『ロスト・イン・ラ・マンチャ』だ。 未完で終わらせたのにも監督の意図があるらしい。監督はスイス人らしいのだが、この後もアレクセイ・ゲルマンとこの作品を最後まで付き合うという彼なりの意思表示らしい。へー。

作品の完成度は低いと言いましたが、やはり難解な映画ばかり撮ってるアレクセイ・ゲルマン監督の姿が見られるのは非常に貴重と言えるでしょう。

そういえば今年、映画監督のドキュメンタリーもすっごく多かったなぁ。。
サミュエル・フラー、ファスビンダー(すっごく見たかった。。)、ロバート・アルトマン、サム・ペキンパー、ミヒャエル・ハケネ、、うん、多いね。

全部は見れてないけど、見た監督は割とみんなクールに、たまに和やかに現場を仕切ってたました。
アレクセイ・ゲルマンは違う。怒鳴り散らす。これもロシアならではなのでしょうか役者も食い下がるし、アレクセイ・ゲルマンの奥さんまで割って入って現場はしっちゃかめっちゃか。怒号しか聞こえない。これが原因じゃないけど、そりゃ10年以上撮影かかるわとも思っちゃいます。

天才である事は間違いないんだけど、アレクセイ・ゲルマンもまず1人の人間なんだって事が分かって良かった。(当たり前か)

結局これを見た所で、『神々のたそがれ』の理解が深まった訳でもないしケジメでも何でもなかったけど…10年くらい経ったらまた『神々のたそがれ』はチャレンジしたい。そんな映画。(が、今けっこう溜まっている..)