海よりもまだ深くの作品情報・感想・評価

海よりもまだ深く2016年製作の映画)

上映日:2016年05月21日

製作国:

上映時間:117分

3.9

あらすじ

笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男、良多(阿部寛)。15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、今は探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳している。元妻の響子(真木よう子)には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木希林)…

笑ってしまうほどのダメ人生を更新中の中年男、良多(阿部寛)。15年前に文学賞を1度とったきりの自称作家で、今は探偵事務所に勤めているが、周囲にも自分にも「小説のための取材」だと言い訳している。元妻の響子(真木よう子)には愛想を尽かされ、息子・真悟の養育費も満足に払えないくせに、彼女に新恋人ができたことにショックを受けている。そんな良多の頼みの綱は、団地で気楽な独り暮らしを送る母の淑子(樹木希林)だ。ある日、たまたま淑子の家に集まった良多と響子と真悟は、台風のため翌朝まで帰れなくなる。こうして、偶然取り戻した、一夜かぎりの家族の時間が始まるが――。

「海よりもまだ深く」に投稿された感想・評価

踊る猫

踊る猫の感想・評価

4.7
ケン・ローチが、あるいは橋口亮輔氏が挑んでいることに(良い意味でも悪い意味でも)愚直に是枝裕和監督らしく取り組んだ一作。つまり、現実から逃げずに何処まで泥臭く、しかしさり気ないユーモアを含んだ作品として昇華させるかに挑んだ作品なのではないかと思う。孤独死、貧困問題、格差の拡大等など……そう言ったものを背景として丁寧に塗り重ねながら、一方で分かりやすい人生模様を描いたものとして描いた傑作なのではないかと思う。このあたり評価は割れるだろう。個人的には是枝監督がいつも男性関係を夢見がちに(「ロマンティスト」ですね)描き、女性同士が極めてサバサバした感じで描くことに興味を惹かれている。この作品でも男たちは(ネタは割らないが)夢を諦めない一方で、女性たちは彼女たちのやり方で現実に適応しようとしているようにも見える。これがこの映画を貶めないことを願うが、『歩いても 歩いても』を拡大再生産させたかのような作品だ。
Kazuizan

Kazuizanの感想・評価

3.8
「誰かの過去になる勇気を持つのが、大人の男ってもんだよ...」

是枝作品にリリーフランキーはいいスパイスですね。
sorahi

sorahiの感想・評価

4.0
「何で男はいまっていうのを愛せないのかねぇ」

母親が息子に注ぐ愛情。心に響くシーンが続きます。是枝監督だからこそ。
いけだ

いけだの感想・評価

3.5

阿部寛のダメ男っぷりが
リアルガチ最&高
団地を舞台に大人になりきれない男とその母を中心に、夢見ていた未来とは違う現在を生きる家族の姿をつづった人間ドラマ。

家族を再生させたい母親、不機嫌な元妻、したたかな姉、身勝手な大人達による生活環境で育つ息子が登場することで、良多は、息子・夫・弟・父親として全てに問題がある正真正銘のダメ人間であることが浮き彫りになる。
思っていた未来とは少し違う現実を生き、過去に囚われた大人達の家族の姿が印象的につづられ、家族と人生というテーマを掘り下げている。

母親は決してなりたい人生ではなかったが、それでも今を生きている。人生は思い通りにならないもので、過去の栄光や人と物への執着を捨てれば新しい何かが手に入り、楽に生きられることを息子の良多に諭す。しかし良多は固執や執着が多く理解できないのだが、客観的に鑑賞している人には心に響く。
それでも母親の愛情が良多の人生の救いになっているだろう。

団地、使用禁止の滑り台、台風などの心象背景が大人たちの悲哀を際立たせて野球、手料理、本などの心情を代弁する方法も映画に味をもたらす。

良多は幼少のころから亡き父親のようにはなりたくないと思っていたが、そのような大人になり、息子の慎悟も父のようになりたくないと思っている男三代の脈々と繋がる家系図が面白く味わい深い。野球シーンなどに暗示されるように慎悟にも継続することは、息子の表情が良いだけに切なくなる。

親子人生の継続の奥深い一面は、良多によく似た亡き父親の思いに触れることで少しだけ成長する瞬間を描くが、慎悟も良多の思いにより少しだけ成長し、別離した家族の心境に僅かな希望の光が差し込む。

普遍的な設定は是枝映画にとって物足りなさを感じ、映画的な抑揚が少ないが、それでも演技と情景の構成で味わい深く構築し、自然で心温まる人間ドラマに仕上げ、断定的結論を押しつけないことで思考を促される手法は是枝監督ならでは。
2017.12.07
#951
あれ という言葉は、日本語特有のいい言い回しでもあり、物を曖昧にする悪い言い回しでもある。
sachiyo

sachiyoの感想・評価

3.4
実も花もつかないけど、なんかの役には立ってんのよ。
樹木希林のお芝居をほぼ初めて見たのだけど、本当によかった。自然。

わたしが弱っていくのをちゃんと見てなさいよ、?ってあんな嫌味なく自然に言えるものなんだなあと思った。
なりたかった大人になれたかどうかじゃくて、
なりたいという気持ちを持って生きてるかどうか

エンディングの曲が心に沁みる
>|