るるびっち

好きにならずにいられないのるるびっちのレビュー・感想・評価

好きにならずにいられない(2015年製作の映画)
4.0
ヘレン・ケラーとは違う三重苦である。
ハゲ・デブ・オタク(映画が強調しているので、あえてあえて〜書きます💦)。
さらに引き籠もり傾向なので、ヘレン女史より過酷かも。
しかし、社会と折り合いできないのは彼だけではない。
彼が好きなメンヘラ女子も、鬱になると仕事に行けない。
隣家の少女の父親はイライラしていて、問題を抱えていたことは後で解る。
主人公をいじめる連中も同様だろう。人生に満足していれば、人をいじめる必要がない。
結局、彼だけの特殊な話ではない。
全ての人にとって共通の問題なのだ。

だから同情無用。同情なんて思い上がりも甚だしい。
我々は彼と変わらない。生き辛さを皆感じているのだ。
むしろ彼の方が、ちょっとずつ進歩している。
自信の無さから最初は女性の接し方も分からなかったのに、時間をかけて焦らずゆっくりと手を伸ばしている。
相手はメンヘラ女子なので扱いにくいのだが、彼もメンヘラなので彼女の気持ちが分かるのだろう。
結末は描かれていないが、焦らず時間を掛けて何度もやり直すことだろう。
結局それが人生なのだ。
るるびっち

るるびっち