tetsu0615

好きにならずにいられないのtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

好きにならずにいられない(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

心苦しくて切なくて凄く心が締め付けられるのだけれど、見守ってしまうような映画

主人公フーシは四十代の独身
母親とその彼氏との実家暮らし
空港の地上係の仕事をしていて、大柄で髪も薄め、女性との交際もしたことのない中年
趣味はジオラマでいわゆるオタクな感じ

序盤はその彼の生活が描かれ、周りからは偏見の目で見られ、職場ではいじめられているのにも関わらず、事を荒立てない彼の人となりが描写される。

あるきっかけでダンス教室に行くことになり、そこで出会った女性との交流から彼は恋をしていくが…

なんだろう…自分も遠からずみたいな感じで見てしまうし、フーシの不器用すぎるというか奥手すぎるというのか上手く会話出来ない感じというのも共感してしまうし、どこか彼に幸せになってほしいな、上手くいってほしいなと思わせる彼の人柄の良さが滲み出ていて、その分彼に降りかかる物事があまりに見ていて辛くなってしまう。

今まで人と関わる事が少なかったせいか、彼の行動には隙が多いし、どこか後先考えないみたいな、行動するときはするときで極端すぎる行動までいってしまうあたりが見ているとハラハラしてしまう。
でも、それは彼の優しさでもあり、不用ながらもその人のためにやっていることであるのが見える分、ラストはあまりにも切なく…

序盤は北欧ならではの冬空の雰囲気が寒色系のイメージで暗い雰囲気を醸し出していたが、徐々に明るめになっていったのもフーシの心境に寄り添っていた雰囲気。

子供が純粋ゆえにズバズバ言っていくのが心に刺さる笑
子供との交流も結局本人とは騒動後会わなかった(遠目から遭遇したり?、父親との和解はあったが)のがどこか物悲しい
結局、彼女との関係もハラリと散ってしまうのがあまりにも悲しい…

自分の心にグサリと刺さりつつ、主人公が遭遇するバットなシチュエーションに胸を締め付けられながらも主人公を応援してしまうような映画でした
ラストのなんとも言えない表情も良かった
tetsu0615

tetsu0615