ぷかしりまる

好きにならずにいられないのぷかしりまるのレビュー・感想・評価

好きにならずにいられない(2015年製作の映画)
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ストーリーが苦しいし素晴らしい
贅肉の無い映画です 余計なこと何も言わない
そして何より音が良い 冒頭のギターのサウンドから料理してる時のぱちぱち言う音まで丸みがあって柔らかい あと戦場のミニチュアも細々としていてたまらん 例えるのなら全編がトイストーリー2のウッディー修理シーンみたいな感じ こういうのASMRって言うのかな?
昔の自分であれば女性のことを責めていた気がするが、今はとても分かる、心は複雑だ 個人的な解釈ではあるが、彼女の心理を読み解く手がかりとして、以下の言葉がふさわしいのではないだろうか

【観音崎君とセックスしたのは「好き」だとか「嫌い」だとか「愛」とか「恋」じゃなく 「感謝」とか「ごめんなさい」とかそういうきもちからだと思う でもそのことをあたしが「ことば」できちんと表現できれば セックスはしなくてすんだのだろうか?】(岡崎京子作 リバーズエッジより引用)

最後のエジプトひとり旅は、普通の人で良いのに!のウラジヴォストークへ衝動的に行くぜ!みたいな、じめじめしたヤな感じがなかった。そのシーンからはさまざまな受け取り方ができると思うけれど、結果がどうあれ彼女のおかげで単調な暮らしを送っていた主人公に訪れた変化を噛み締めているのかなと思った。