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天国はまだ遠いのEyesworthのレビュー・感想・評価

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)
4.7
【人一人分の空席】

濱口竜介監督による38分の短い作品

〈あらすじ〉
17年前に殺人事件の被害者となった女子高生ミツキ。その同期の雄三のもとに、ミツキの妹を名乗るサツキから電話があった。それは大学でドキュメンタリーを作っていて、姉の死を題材にしたい、インタビューを撮らせてほしいという内容だった…。

〈所感〉
短いながらも濱口竜介という人を味わうのにもってこいな作品だと思います。なので、濱口竜介作品を見てみたいけど、『ドライブ・マイ・カー』も『親密さ』も長すぎてちょっとという方にオススメ。最近は濱口竜介さんが書いた『他なる映画』を読みながら、自分も低脳なりに勉強していますが、やはり彼の作品はすごい。本作では、地縛霊という限りなく透明に近い存在が実在する人間に憑依した時果たしてそれは実像なのか虚像なのかという問題が描かれているように感じます。映像に残されたものが真実であるのは勿論だが、実像と虚像の同居がここまで成立してしまうものなのかと感心させられる。雄三を演じた岡部尚さんあっぱれ過ぎます。人によって色々な解釈ができる作品だと思います。是非見てください。
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