イチロヲ

悦楽交差点のイチロヲのレビュー・感想・評価

悦楽交差点(2015年製作の映画)
4.0
平凡な夫婦生活を送っている若妻(古川いおり)が、見窄らしい中年男(麻木貴仁)によるストーカー被害を受けてしまう。"窃視する側・される側"の人間模様を描いている、オーピー配給のピンク映画。

(筆者は、成人映画館向けのR-18版「悦楽交差点 オンナの裏に出会うとき」を鑑賞している)

面識のない人妻(=ヒロイン)のことを、自分の妻だと錯覚している非モテの中年男が、双眼鏡で夫婦生活を覗き、生ゴミから個人情報を仕入れて、ラブホの隣室を即座に抑える。倒錯状態に陥っている人間の生態に一喜一憂することが可能。

ヒロイン視点では、貞淑な妻を演じる生き方に喘いでいる人妻が、第三者を刺激剤として活用するパターンに入る。"聖性と娼婦性を兼ね備えた女性に翻弄されること、それ自体がエロスである"という、エロティシズム論を汲み取ることができる。

個人的フェイバリット作品「処女監禁」(関本郁夫監督)や「オールナイトロング3」(松村克弥監督)を連想させる作風のため、とにかくツボに入りまくる。恋愛弱者が自分なりに頑張る系のドラマほど、心に響くものはない。
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