NAOKI

ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~のNAOKIのレビュー・感想・評価

3.7
先日、暇だったのでホラーが苦手なリョウをダメ元で騙してみた…

「こないだ『ヘレディタリー/継承』って映画観たんだけど…ビックリさせるようなタイプのホラーじゃなくて家族をテーマにしたじっくり考えさせられるトラディショナルな傑作だったよ」(ウソじゃない)

なんと、これでリョウは友達に誘われるまま観に行ったらしい…
映画館にリョウの悲鳴が響き渡ったと聞いてその時の観客を羨ましく思った…それはそれは臨場感が盛り上がったろう…おれが連れていけばよかった…

後日リョウに会ったときに猛烈に文句を言い出した…

「何…あの映画!いったい誰が何のためにあんな映画を作るんだ?怖い思いして嫌な気分になって不吉な感じで帰途につくなんて俺にはさっぱり理解できない!」

カンカンである…

「あのな…映画なんてそんなもんだよ…童話が残酷なのと同じ理由だ…人間は不快なものやショッキングなものの方が心に残るんだ…カタルシスの語源はギリシャ悲劇に心をかき乱されたあとに訪れる浄化って意味だからな…」

「カタパルトか象か知らんけど…おれは美しい映画が観たいんだ!悪い人やショッキングなことは要らない!平和で美しい映画が観たいんだ!」

カンカンである…

「リョウ…そんな映画があっても面白くもなんともないと思うぜ」

「ミッドナイト・サン~タイヨウのうた」

その日の帰りTSUTAYAでこの映画を手に取った。
「あぁ…YUIのあの映画のリメイク?YUIは可愛かったし歌も良かったけど映画の方は今一つだった印象…10年以上の前の邦画をハリウッドがリメイク?絶対何かある…」

あの映画の通りリメイクしてもさっきのリョウと話した映画じゃないが…そんな美しいだけの映画なんて面白いわけがない…

そうかこれは「ぼくのエリ 200歳の少女」だろう。吸血鬼の隠れ蓑としては完璧じゃないか…あ!でも「モールス」がある…か…
男の方が実は未来から送られたサイボーグで彼女を守ってるのか?あ!それは親父か…

観たら…
完璧な美男美女の難病を乗り越える一途の愛…素晴らしい歌と歌声…
良い人しか出てこない…
これはこれで衝撃的…
素直に感動できる泣ける良い映画だったのだ!

リョウ…すまない…お前の言う通りの映画がここにあったよ…おれはメールでこの映画をリョウに知らせた。

リョウからの返事…
「お前のおすすめの映画は今後絶対に観ない!」

リョウは今週「ヘレディタリー」を観て…この「ミッドナイト・サン」は観ないそうです😁💦
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