穂苅太郎

太陽のめざめの穂苅太郎のレビュー・感想・評価

太陽のめざめ(2015年製作の映画)
3.4
珍しい少年更生施設もの。
ドラッグやアルコール更生施設はわりと見るが、ありそうでなかった未成年施設。
暴力に対して徹底的に排除していくのに比べ、タバコ、ドラッグ、未成年性交渉にかなり容認していることに、さすがに驚く。
結局あらゆる愛情も献身も努力は不毛に終わり、ようやく本人が父親になることで、救われたかのように描かれるが、前途はそれほど楽観できないことは明らかで、すっきりしない。
リアルといえばリアルだが、人権派の判事の、しかもカトリーヌ・ドヌーブをもってきてなお無力であるというプロットはすごい割きりだ。
しょせん国や行政での措置は人権擁護だろうが、ヒューマニズムだろうが何も役立ってはいないと言っているわけだから。
本来報われなくてはならない教育係も判事も敗北したということ。やっぱりすっきりしない。
穂苅太郎

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