ぴよまろ

ダンケルクのぴよまろのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.7
クリストファー・ノーラン監督脚本作品。
第二次世界大戦初期のフランスのダンケルクにおいて、敵地に取り残されたイギリス兵たちの救出作戦を、陸、海、空のそれぞれの視点で描いた、実話をもとにした作品。

陸の一週間、海の一日、空の一時間という、違う時間軸を同時に描いていくという構成が他にはなくて面白い。一見分かりにくくなりそうなものを、違和感なく見せて、時間軸が異なるが故に、視点が変わったときに、別の角度から楽しめるという発見がありました。さすがのノーラン作品です。

また、実際の戦争を描いているものの、セリフは最小限でシーンで描写されており、あくまで善悪ではなくリアルな戦場を一歩引いた立ち位置で描かれたエンタメに徹したことが良かったです。(ドイツ側の登場人物がいないのも良かったです)陸、海、空の3つの視点は定まっているものの、あくまで群像劇として描かれており、最後には一人称視点として着地するラストも、物語としてハマっていました。

特徴的な構成もさることながら、群像劇としても緊張と緩和の連続で楽しめる作品でした。
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